選ばれなかった私に。

たまった思いを淡々と。

正しかったのは無関心でいられたから

誰かの悪口を聞いて救われたことがあるなんて、最低だね。


でもそんなふうにしか慰められなかったことを、
それでも後悔すらできなかったんだよ。


雨に濡れたアスファルトが、反射してキラキラ光るのが綺麗だって、
そう思うのと同じように、
君の瞳からこぼれた涙のこともキレイだって思った僕は、君のことなんてまるで思いやれなかったあの頃から、
どこかで大人のなりかたを間違えたのだとずっと思っていた。


僕は、

君が笑うのを見たかった。
君が泣くのを見たかった。
君の瞳が、僕を映したままで揺れるのを。


軽蔑されても、いいよ。


最低だねって君が言って、
僕を許すわけでもないのに、君が側に居続けてくれるなら、
僕が最低だったことさえ、それでよかったと思える。

正しくて誠実な僕であったなら、
君は笑顔のままで離れていったかもしれないとさえ、思えるから。


夕暮れに降った雨の匂いが好きだよ。
君への感情は、それに似ている。