選ばれなかった私に。

たまった思いを淡々と。

できれば道端の石になりたい

夕飯につくった茄子の味噌炒めの味が濃すぎて、なんだか泣きたくなるよ。

何に対してもちょうどいいバランスが分からない自分のことを、見放してしまいたくなる。


客観的に、なんて、難しいことを言うね。


いつまでも主観は切り離せずに、私の中心は私であり続けた。
「自分は主人公になれない」だなんて台詞、冗談じゃない。

脇役でいいからと訴えても、せめて退場したいと願っても、いつだって世界は私を中心に回り続けた。


君の気持ちだって、私には永遠に分からないよ。

でも、
あの電信柱の影が寂しいと思ったことも、
君が何気なくそらした目をかなしいと思ったことも、
君が分からなくてよかった。

あの時の君の気持ちを、
永遠に分からなくて、よかった。


冷たくなりはじめた空気を吸って、
今日 誰かと交わした会話を思い出しては、もっといい言葉があった気がする。
それが正解かそうでないかを、
神様みたいな人が決めてくれたら少しは、救われるのに。


明日になればまた、
何気ない顔をして君に笑いかけて、
測れないと分かりきった君との距離を測ろうとする私のように、
君もそんなふうに苦しんでいればいいのにって、
ひどいことを思ったんだよ。