選ばれなかった私に。

たまった思いを淡々と。

夏が好きだって言った冬の私に

夏には秋の涼しさを思い、
秋には冬の寒さに怯えて、
いつだって先のことばかりを気にしては、今を忘れた。

憐れんだのは君。
それは純粋な優しさで、
だからこそ消えてしまいたくなるから、最悪だね。

太陽の光が水面に反射して、それは完璧な夏の日。
そんなふうに完璧でありたかった、せめてそう見えていれば。
中途半端な私の姿勢が、
なにもかもを台無しにして、
いつかそれさえ忘れられる。

何がしたいのって君に聞かれて、
答えられないのは、
辛いよ。

聞き返して君に完璧に答えられるのが、怖かった。

さよならと笑顔で手をふりながら、
もうちょっと一緒にいたかったなあなんて言いながら、
ようやくひとりになれる安堵を感じていたなんて言えない。

田舎の向日葵はほとんど野生化して、大きすぎて不気味だ。

もう夏なんて終わってよ、
せめて秋なら。