選ばれなかった私に。

たまった思いを淡々と。

なにかにすがりたかったあの夜のことを

笑っていたのは、楽しかったから。
そうだと信じた君の純粋は、
いつからか戸惑って全てを疑い始めた。
愛想笑いと自分の心があべこべになっては、
また同じになったりした。
悲しかったのは、無理に笑うことではなく、
自分の心を見失ったから。


歩道橋から見えた夜の景色は、
永遠のような車のテールランプと、
どこまでも途切れては続く窓の灯り。
それは君の瞳に長いあいだ映り続けた。
けれど君の瞳は、それを映し続けるだけの硝子玉にはなれない。
いつだって感情はそこに寄り添う。
いつかそのことが、きっと君を救う。